奨学金は結婚の足かせになるか

 小学生の子どもが3人。家族5人の生活だけど、そろそろ今後の教育費が気になってきてます。3月にニュースになっていたネタでとっくに旬を過ぎているのですが書きますね。

  「奨学金を借りると結婚できなくなる」アンケート結果、について掘り返します。

「奨学金のせいで結婚が出来ない」という勘違いについて。(中嶋よしふみ) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

 

 

労働者福祉中央協議会(中央労福協)が、奨学金を借りている34歳以下の働く男女に行った調査で、回答した2061人のうち、「奨学金返還が結婚に影響している」としたのは31.6%に上ることが29日、分かった。出産への影響があるとの回答は21.0%あった。」

 

出典:奨学金の返還「結婚に影響」3割 中央労福協調べ  日経新聞 2016/2/29

 

  このアンケート結果は何を意味するんだろう

 

 FPの中嶋よしふみ氏は今年3月のデータについて「収入が低くてとても結婚出来ない、という人は大抵の場合大きな勘違いをしている。上記の通り一緒に生活すれば生活費は軽減する。」と述べておられます。

 続けて、一人暮らし同士が生活をともにすれば生活費は減る、と具体的に書かれてます。もちろん光熱費やら何やら、二人で部屋を借りて住めば安上がりなのは明白。

 しかしそもそも、「同居が生活費の軽減になることに気づいていない」から結婚をためらうのではないと私は思うのですが。生活費を安くするために同棲に踏み切るカップルはいても、結婚は…容易ではないでしょう。それは、結婚は現実的には「両性の合意によってのみ」行えることではないから。

 夫婦になると財布も一つになるから、と考えて(債務は借りた本人と連帯保証人にあるけれど)、奨学金の返済がある人と結婚することを反対する親世代が多いことが一番の原因なんじゃないかと思う。

 

 お金はなくても結婚(婚姻届けを出すこと)はできる、かもしれないけど、「周囲の理解と協力がなくても結婚は成立し、その後の結婚生活は安泰なものになる」なんて言い切れるかな??結婚はイエとイエが結び付く一大イベント。改姓が強制なので、実質的には会社で言えば嫁側の家が吸収合併されるみたいなもの。

 

 結婚したい相手のご両親に、自分に奨学金という名の借金があると知られることで、少なくともよい印象は持たれないんじゃないかな?とくに女子。もし結婚したい相手の両親が古い考えで、

 

嫁は嫁入りの時に「嫁入り道具」と「支度金」を持って嫁ぐのが本来であって、現在はそこまで求めないにしてもとも、借金とともに嫁いでくるなんてとんでもない

 

全部返済して身ぎれいにしてから出直して来てほしい

 

と思う親御さんがいても不思議ではないでしょう。プラスどころかマイナスなんて!って。そしてむこうの親の子育て費用までなすりつけられた気分にすらなるかもしれません。同棲と違って結婚は「親世代との価値観の違い」という大きなハードルを越えなくてはいけないイベント。そこにさらに奨学金という事情がもつれこむんでややこしくしているのかもしれません…。

 それでも奨学金女子には「私には大卒の価値があり、奨学金を借りた金額以上に価値を生み出す能力を大学(等)で身につけました、家計の負担にはなりません」って胸を張って嫁ぎ先に言えるかな?

 「奨学金で結婚できないなんて変な思い込み!」とニュースにツイートしている方々のほとんどは独身か、よほど理解のあるご両親あって結婚なされた恵まれた方たち、もしくは血縁地縁のしがらみから離れた世界にいる都市生活者だと思います…。

 

 将来結婚の足かせになるかも知れない奨学金、子ども達には無利子であってもできるだけ借りずに卒業してほしいと願う母なのでした。とくに娘ね。そのために本当の意味での奨学金(返済不要のスカラシップ)をゲットしてほしいと思う…!!